大手SIerでCOBOLを書いていた私が新卒2年目でWeb系スタートアップに転職するまで
しがないラジオパーソナリティのgamiです。
しがないラジオAdvent Calendar2017 2日目の記事です。
これを書くために、ブログを始めました。きっかけ大事。
「SIerからWeb系への転職エピソードのアドベントカレンダー」ということで、自分の転職話を書きます。
私は富士通にSEとして入社してから、1年半でWeb系スタートアップであるプレイドに転職しました。 ポッドキャストでもこの辺の回で話しましたが、1年越しの転職エントリを赤裸々に書いていきます。
転職活動
富士通時代は、ブラックSIerとは真逆の働き方をしていました。 ほぼ毎日定時で帰っていて、累計残業時間も10時間以下です。
ホワイト労働だったのには、以下の理由があります。
- 自治体向けのビジネスだったので、そこまでハードじゃなかった
- パッケージ開発元のチームだったので、顧客から距離が遠かった
なので、転職に関して特に強い思いをもっていた訳ではなく、スキルアップに関するもやっとした不安だけを抱えて働いていました。
本格的に転職活動をし始めたのは、2つのきっかけがありました。
ベンチャーへの会社訪問
ある日、エンジニアとして働いていた大学の同期が、遊びに誘ってきました。
「転職サイトでスカウト受けた会社に遊びに行くけど、一緒に来る?」
当時の私にとって、会社に遊びに行くとはどういう概念なのか、全く理解できませんでした。 会社とは、お金とスキルを得るために働くところで、遊ぶところではありません。
ましてや、スカウトを受けているのは友人の方なので、「なんだこの金魚のフンみたいなやつは」と思われるのがオチです。
当然、そんな気乗りしない誘いは断ってもよかったのですが、なぜか行くことになりました。
この頃の記憶はあいまいですが、漠然とした不安に突き動かされて、何でもいいから「会社と家の往復以外のこと」がしたかったのかもしれません。
職場のあった海浜幕張から目黒までの電車では、現職の人への軽い罪悪感と、一歩踏み出せた自分への高揚感が入り混じった不思議な気持ちでした。
訪問した会社は、ラクスルという主に印刷サービスを提供するスタートアップです。 raksul.com
他の多くのWeb系スタートアップがそうであるように、ラクスルのオフィスは空中庭園を模した遊び心のある空間でした。
正直、友人がCTOと話している内容は半分もわかりませんでしたが、「世の中を変えるために遊ぶように働く人たちがいるのだ」という当たり前の事実に、震えました。
仲の良い同期の転職
ちょうど同じ時期に、仲の良い同期が転職してWebエンジニアになるという話を知りました。
そのときは、長い研修を終えて配属されてから、まだ1年もたっていませんでした。
「とりあえず3年」という言葉を信じてはいませんでしたが、何となく「今辞めるのは、世間体的に早すぎるかなあ」と思っていました。
そんな中で、同期が転職を決めたという話を聞いて、もう辞めてもいいんだな、という思いなおしました。
その同期とは、今も一緒にポッドキャストをする仲です。
転職活動を始める
Web系の会社に転職をしようと決心をしましたが、まず壁にぶち当たりました。
自分が何をやりたいのか、そして世の中にどんな会社があるのかも、全くわからなかったのです。
漠然と、「世の中を良くしている実感を持ちながら」、「エンジニアとして」働きたいと思っていました。
しかし、転職サイトを見ると、その条件に当てはまりそうな会社は星の数ほどあるのでした。
スカウトサイトに登録する
そこでまず、スカウトサイトに登録して、自分の経歴を詳細に書きました。 Wantedly、キャリアトレック、Greenあたり。
すると何件かスカウトが来るので、カジュアル面談の予約をします。
- どの会社がいいのかわからない
- 技術力に自信がない
というのが目下の課題だったので、「スカウトしたのはそっちじゃん」という言い訳ができることを重視しました。
今思うと消極的ですが、とにかく自信がなかったので、まずはそこから。
選り好みせずに面談を重ねていくと、結構いいことがありました。
- 自分のことを話すのに慣れる
- 興味のある会社とない会社の特徴がわかる
- (選考が通れば)自信がつく
やりたいこと、いきたい会社があいまいなときは、とにかくたくさん面談すると見えてくるものがあります。
とりあえず転職活動をしてみる、というのは、辞める確証がなくてもオススメです。
イケてるエージェントに登録する
面談慣れしたころに、Goodfind Careerの転職エージェントと面談をしました。
エージェント経由だと、自分の経歴や適性をみて合う会社を探してくれるので、実際に会社の人と面談をしてみても、マッチング度合いが高かったです。
今働いているプレイドも、そのときのエージェントの方に紹介してもらった会社です。
ただし、大手の転職エージェントはベンチャー界隈とのつながりが弱い印象です。 ベンチャーに転職をしたいなら、同じく人材系ベンチャーを頼った方がいいと思います。
転職活動のためにやったこと
定時退社で暇だったので、少しでも有利に働くよう、転職活動以外にも色々やっていました。
勉強する
「COBOLとJavaで開発してます!」というのは全くアピールにならないということは、薄々感じていました。 そこで、Web系の企業で多く使われている技術を勉強しました。
どの言語を学んでいいかわからなかったので、とりあえずRailsチュートリアルをやりました。
一通りこなすだけで、Rubyはもちろん、Git、Heroku、TDDなどWebアプリケーション開発に必要な知識をざっと学べるので非常に良いです。
今だったら、N予備校 プログラミングコースをやると思います。
何か作って公開する
Wordpressのカスタムテーマから自作したWebサイトを公開したりしました。
当時、全くPHPは理解していませんでしたが、コピペ開発でどうにか見れるものを作りました。
もう公開されてないと思ったらまだあったので、黒歴史ですが貼っておきます。
コンセプトは、「俺が効率的に生きるためのノウハウを1人の力で書き溜めてnanapi超えるわ」みたいな感じでした。 今見ると色々とやばいですが、皆さんのアウトプットのハードルが下がれば幸いです。
Tech系ポッドキャストを聴く
何かのきっかけで知ったRebuild.fmを、通勤中に狂ったように聞いていました。
聴き始めた当初は、話していることの1/5もわかりませんでしたが、「これが自分の目指す世界の言語なんだ」と念じて耐えていました。
Web寄りのTech系ポッドキャストを聴くのは、他業界からWeb系への転職するときには、とても良いと思います。
- Web界隈で勉強しなければいけない内容がなんとなくわかる
- Web界隈で最近話題のトピックを知れる
採用面接でも、Rebuildで仕入れた知識を、さも昔から知っていたかのように話していました。 「この人は話が通じるな」と思ってもらえるのは大事です。
最初は背伸びしているように感じたとしても、当たり前の界隈の知識を、ポッドキャストの力を借りて、ひたすら脳にインストールしました。
今だったら、しがないラジオを聴くと思います。(宣伝)
そんな感じで、Web系スタートアップに転職しました。
FAQ
書いていたら、読者の方からの質問が頭に浮かんできたので、その妄想に勝手に答えます。
新卒2年目でSIerを辞めるのは早かったか?
いいえ。
もちろん会社に依りますが、Web系の会社は、長くSIerにいた人を採用するのを嫌う傾向にあります。 カルチャーや開発環境にギャップがあるのが、その理由だと思います。
また、Web界隈は複数社経験する人がゴロゴロいるので、すぐに会社を辞める人へのマイナスイメージはかなり薄いです。
長くいるメリットはない気がしています。
ほぼ未経験でWeb系エンジニアになるのは技術的に大変か?
勉強が好きなら、なんとかなります。
また、技術以外のスキルやカルチャーマッチを重視する会社も多いので、自分に合った会社を見つければ大丈夫だと思います。
転職して楽しいですか?
楽しくて仕方がないです。
そんな訳で、楽しくて仕方がないラジオ、今後ともよろしくお願いしますー