眼球の中にコンタクトレンズを埋め込むICL手術をして1ヶ月たった
こんにちは、gamiです。 2018年12月13日にICL手術を受けて1ヶ月以上がたちました。 周りの人の話を聞いても、レーシック経験者はそこそこいますが、ICL経験者はあまりいなさそうだったので、その結果や感想を書きます。
ICL手術とは?
視力回復のための手術の一種です。
視力を戻すための手術としてはレーシックが一番有名ですが、 私は後述する理由によりICLという珍しい手術を受けました。
ICL(Implantable Contact Lens)手術はその名の通り、眼球の表面を切って、 その隙間から眼の中にコンタクトレンズを挿入する手術です。 痛そうですね。
特に問題なければ何十年もコンタクトレンズを入れっぱなしにするので、「眼内永久コンタクトレンズ」とも呼ばれるそうです。
なお、眼内レンズ手術には入れる場所やレンズの種類によって「前房型」と「後房型」の2種類があります。
私は、より一般的で傷口が小さくて済む「後房型」の手術をしました。
なぜICL手術を受けたか?
私は視力が絶望的に悪く、小1から眼鏡をかけています。 手術前の視力は両目とも0.1未満で、コンタクトレンズの度数は右目が-9.00、左目が-6.00でした。 おまけに乱視付きです。
最初はICLの存在すら知らなかったので、普通にレーシックを受けるつもりでした。 いつレーシックしようかなーと思っていたところに、「自分の結婚式」という大きなイベントが舞い込んできたので、 なんとなく「結婚式は裸眼で出たいなあ」と思ってレーシックの検査を申し込みました。
病院は、知り合いがレーシックを受けた品川近視クリニックに行きました。 その人の紹介だと、5万円くらい安くなるとのことでした。
レーシックの検査を受けてみると、「視力が悪すぎてレーシックでは十分な視力回復は難しい」という旨のことを言われました。 その代替案として示されたのが、ICLでした。
レーシックは角膜をレーザーで削って屈折異常を矯正する手術方法です。 そのため、角膜のサイズで視力の矯正幅の上限が決まってしまいます。
一方、ICLは逆にレンズを足す手術なので、より強度の近視であっても矯正することができます。
ICL手術の結果
詳細な体験談は後に回すとして、結論を先に述べます。
良かったこと
当たり前ですが、視力が1.0付近まで回復しました。 20年以上、眼鏡かコンタクトレンズ無しでは生活できない状態だったので、朝起きて眼鏡をかけなくても目が見える体験は素晴らしいです。
もちろん、この点はICLでもレーシックでも変わらないと思います。
悪かったこと
手術前に説明を受けていましたが、照明などの強めの光を見るとその周りに光輪が見えるようになりました。 手術直後は結構気になりましたが、今は慣れたのでそこまで気になりません。
大変だったこと
一時的に大変だったことは、以下です。
- 手術料金が高かった
- 50万円くらいしました
- 術後1週間は、目に水が入らないようにシャワー禁止だった
- ドライシャンプーを買ってしのぎました
- 手術で血管を切ったらしく、術後3週間くらい、右目の左半分が内出血で真っ赤だった
- 会う人全員に説明しなければいけなくて大変でした
概要は以上です。 細かい体験談が気になる人は、以下も合わせてお読みください。
詳細な体験談
記憶の限り、ICL体験談を詳述します。
レーシックの検査まで
前述のように、最初はレーシック手術を受けるつもりでした。 品川近視クリニックには「1日レーシック」というプランがあります。 事前予約制で、たった1日で検査、カウンセリング、施術まですべて終えることができます。 私のような効率厨には最適なプランです。さっそく問い合わせをしました。
予約に際しては、事前に電話でヒアリングを受けます。 主なヒアリング内容は以下でした。
- どの院で受けるか?
- 生年月日
- 電話番号
- ローンをするかどうか
その後、1日レーシックの予約を取ります。
レーシックの検査
レーシックの検査に先立って、注意事項を伝えられました。
- 料金はmin 15万円だが、検査結果に応じて変動する
- 全体の5%の人は、検査の結果、施術が不可になることがある
- 私もレーシック手術としては不可だったので、この5%に入っていたことになる?
検査当日は、一生分かと思うくらいたくさんの目の検査をしました。 視力、眼圧、眼球の各部分のサイズなどを詳細に調べます。 また、ベッドで横になった状態で、穴の空いたカップを眼球の上において液体で満たしたまま眼の中をグリグリチェックされたりしました。
最後に医者の診断がありました。 この日の検査で、予想外のことが2つありました。
- レーシックができず、ICL手術になる
- 小さな網膜剥離が見つかったので、視力回復の前にそちらの手術をする必要がある
網膜剥離とは、眼球の内側の網膜が剥がれてくる病気です。 近視が強い人は、眼球が前後に引っ張られるので、中央部分が破れて穴が空いてしまうことが多いようです。
網膜剥離の手術
幸い、少し穴が空いているくらいの軽度な網膜剥離だったので、その日のうちにレーザーで治療ができることになりました。 瞳孔を広げる目薬と麻酔の目薬を差して、普通の診察室っぽいところで手術しました。
ICLがメインのトピックなので詳細は割愛しますが、網膜剥離している部分の周りをビス留めするように、数十〜百数十発くらいのレーザーをガンガン打っていきます。 麻酔をしているとはいえ、連続でレーザーを打たれると鈍痛が酷くて涙が出てきます。
肝心のICL手術は、網膜剥離の術後1ヶ月検診で問題がなければ改めて実施することになりました。
ICL手術前
ICLの手術に先だった準備としては、以下が必要でした。
ICL手術当日
網膜剥離の手術から約1ヶ月後に、ICLの手術をしました。
検査
当日は、網膜剥離の術後検査、およびICL手術前の軽い検査をしました。 特に問題なかったので、ICLの手術をすることになりました。
支払い
手術前に、料金の支払いをしました。 50万円を超えていたので、手持ちのデビッドカードの上限金額を超えていて焦りました。 なんとかWebから上限を引き上げられたので良かったです。
ICL手術を受ける場合は、事前にクレジットカード等の上限金額を確認しましょう。
手術の準備
これまでの検査や網膜剥離の手術とは違って、入念に手術の準備をしました。
- ロッカーに洋服以外のすべての荷物を預ける
- 青い手術用キャップをかぶる
- 手術エリアの部屋の片隅に置かれた一人用ソファで待たされる
- その間、5分間に1回の頻度で、なんども繰り返し目薬を差される
- 瞳孔を広げるやつと、麻酔用、消毒用など
- ちゃんと瞳孔が広がっているかチェックされ、不十分だと目薬を再度差してさらに5分間待つ
- トータルで30分以上はかかった気がする
- その間、5分間に1回の頻度で、なんども繰り返し目薬を差される
十分に瞳孔が開いて麻酔が効いてきたら、手術室に通されます。
手術中
手術は、思ったよりもガチの手術室で、複数の医者や看護師の手で行われました。 また、全身麻酔ではないので、普通に意識もはっきりし、眼もそこそこ見える状態で手術をします。
- 眼の周りを消毒する
- ボトルに入った目薬を、湯水のように流して綺麗にする
- 眼の周りだけが出るような布を顔の上に置き、テープで貼る
- まぶたをテープで広げる
- さらに、まぶたを強制的に開かせる器具を取り付ける
- 光る顕微鏡みたいなものを目の前に設置され、その先を見続けるように言われる
- 眼球の表面を切るタイミングは、痛みが無いのでよくわからない
- たまに鈍い痛みはあるが、そんなに痛くない
- 手術中は、常に眼球に水を吹きかけられ、定期的に目薬も差される
- レンズを挿入した瞬間、突然眼が見えるようになる
- 瞳孔が広がっているので完全には見えないが、明らかにわかる
- 何らかの後処理をして、片目終了
- 眼球なので、特に縫ったりはしない
- 片目10分程度、全体で30分程度
手術直後
手術後も、手術前に座っていた一人用ソファに座らされます。 ソイジョイとお茶を渡され、お腹が空いていたら食べるように言われました。
しばらく休んでから、改めて軽く術後の診察をします。 私はこの時点で右目が内出血を起こして真っ赤になっていましたが、たまにあることのようで、問題ないと判断されました。
その後、以下を渡されます。
- 目薬3種類
- 内服薬
- 保護用メガネ
- 眼帯
保護用メガネをつけたまま、帰宅します。 まだ瞳孔が広がっているので手元は見えにくいですが、帰るには特に問題ないくらいの視力はありました。
ICL手術1週間後まで
手術の翌日には、術後1日後検診がありました。 術後2日後くらいまでは、内服薬をちょこちょこ飲まされました。
その他、術後1週間後までは以下の制限がありました。
- 2〜3種類の目薬を各1日5回ほど差し続ける
- 首から上のシャワー禁止
- 目に水の中の雑菌が入ることを防ぐため、ドライシャンプーや濡れタオルでしのぎました
- スポーツ禁止
- 飲酒禁止
- 常に保護用メガネを装着
- 就寝時は、プラスチック製の眼帯を装着
- 寝返りを打ったときに眼球を圧迫しないように
視力自体は、翌日には問題なく見えるようになりました。
右目は内出血が痛々しい感じでしたが、目薬を差したときに少し染みる程度で、痛みはあまりありませんでした。 角膜を削るレーシックの場合は結構痛む人もいるそうですが、ICLは眼球を3mm程度切るだけなので、痛みが少ないのかもしれません。
術後1週間が経過したときも、改めて検診に行きました。
ICL手術1ヶ月後まで
1週間が経過すると、保護用眼鏡も不要になり、軽いスポーツや飲酒もOKになります。 目薬だけは、1日5回差し続ける必要がありました。
全体のスケジュール
私の場合のスケジュールは以下でした。
日付 | 内容 |
---|---|
2018/10/18 | 1日レーシックの予約 |
2018/11/08 | レーシックの検査&網膜剥離の手術 |
2018/11/15 | 網膜剥離術後1週間検診 |
2018/12/13 | ICL手術 |
2018/12/14 | ICL術後1日後検診 |
2018/12/20 | ICL術後1週間後検診 |
2019/01/15 | ICL術後1ヶ月後検診 |
2019/03/13 | ICL術後3ヶ月後検診 |
一般的な、レーシックとICLとの違い
手術の説明を受ける中で、レーシックとICLの違いに詳しくなったので書きます。
レーシック
- 料金は比較的安い
- 10〜30万円程度
- 角膜を削るので、不可逆
- 術後の入浴や飲酒に関する制限が緩い
- 基本的には、翌日から可能
- 乱視の矯正も可能
ICL
- 料金が高い
- 50万円程度
- レンズを後から抜くこともできるので、可逆
- レンズが合わない場合に後から交換することも可能
- 術後の入浴や飲酒に関する制限が厳しい
- 術後1週間はシャワー禁止など
- 乱視の矯正ができない
- 後房型レンズは回転する可能性があるので、乱視矯正ができない
- 乱視を矯正したい場合は、術後3〜6ヶ月後以降に、乱視だけレーシックで矯正することも可能
共通点
- 光の見え方に違和感を感じる現象(ハローグレアなど)は、どちらにせよ発生リスクがある模様
- 他にも、感染症や医療ミスなどのリスクははゼロではない
まとめ
基本的には、レーシックで直せるレベルの視力の人は、手術例も多いレーシックをするのがいいと思います。 ただしレーシックが難しい場合でも、お金さえ用意できれば、ICLの手術も選択肢に入れるのは十分にありだと感じました。
「眼球を切ってレンズを入れる」という手術内容だけを聞くと恐ろしいように感じますが、私の場合は痛みもあまり無く、また可逆であるという意味ではレーシックよりもリスクが低い側面もあります。
なんにせよ、ノー眼鏡&コンタクトライフは超快適です!